ifネギま! 〜一話一妄想〜




第二十七話



 修学旅行の準備のため、街へ出た柿崎・釘宮・椎名。三人は買い物中、デート中と思われるネギと木乃香を見つけてしまう。あやかの命令で、二人の邪魔をしようとする三人。結局は全て誤解だとわかったのだが……。

「あーっ、カラオケ楽しかったねーっ」
 椎名は両足を投げ出しながら、明るさ一杯の声で言った。
 脱いだ帽子をかけながら、柿崎も笑顔でうなずく。
 しかし、釘宮はそんな二人とは対照的に、渋い顔をしていた。
「いや楽しいのはいいけどさ、結局ほとんど服買えなかったじゃない。カラオケでお金使っちゃったし……」
「まあまあ、明日も行けばいいし、お金はあたしが貸そうか?」
 と、椎名は笑顔を崩さない。
「お、さすが食券長者」
 などと柿崎もおだてる。
 釘宮は、頭痛をこらえるようにこめかみを人差し指で押さえてうつむいていたが、「まあいいわ」とため息混じりに言った。
「そういえばさ、これってどうする?」
 柿崎が、ビニール袋を持ち出してきて、カーペットに座った椎名と釘宮の間に置いた。
「あー、これね」
 ビニール袋の中に、椎名が無造作に手を突っ込む。
「直前で気付いて良かったよね。うっかりアスナにプレゼントしてたら、大変なことになってたもの」
 釘宮は言いながら、おそるおそるといった手つきで、ビニール袋から品物を引っ張り出す。
 座った柿崎も、その一つを手にとった。
 その品物とは、ディルドーもしくはバイブレーター、である。
 扇情的な煽り文句と共に、透明な箱に包装されたそれは、全部で三つあり、三人は一つずつ手にしていた。椎名は興味深そうにひっくりかえしたり回してみたりし、釘宮は指先でつんっとつついて倒したあとは、見ているだけである。柿崎は、箱に書かれている文句を読んでいた。
「っていうか、なんであの二人こんなもの買おうとしたんだろう?」
 こめかみから汗を一粒流しながら、釘宮がつぶやいた。
「そりゃあ使うためでしょ」
 とんでもないことを、屈託のない表情で椎名は言う。
「でも、あの二人結局恋人でもなんでもなかったじゃない?」
「うーん、でもよく考えると、アスナのプレゼント選びを口実にした、デートって考えることもできるわね。膝枕してたし……」
 釘宮の問いに、バイブの箱を睨みながら柿崎が答えた。
「あっ、それあるね。じゃあやっぱりこのかちゃんとネギ君が使うために買おうとしたんだか〜。このかちゃん、ネギ君のじゃ不満なのかな〜。まあ十歳だしね」
 際どいことを平気で言う椎名。釘宮はちょっと引いているが、柿崎は箱を置き、身を乗り出してきた。
「いやいや、そうとは限らないよ。たとえばこのかが、ネギ君を攻めるのに使うとか……」
「おおおっ!」
 人差し指をピンと立てて、ニヤリと笑う柿崎。椎名は思わず歓声をあげていた。
「はいはいはい、妄想はそこまで」
 パンと手を打ち鳴らして、釘宮が大きな声で言った。
「普通に考えて、こけしとかの民芸品と間違えたんでしょ。イギリス人のネギ先生も、箱入り娘のこのかも、この手の事にはうといでしょうし」
 確かに、釘宮の言うことには一理あった。現に、彼女の前に置かれたバイブは、オカッパ頭の女性を模した形をしており、表面が木目柄というデザインだ。
 包装も比較的大人しいため、確かにうっかりすると本物のこけしと間違えてしまうかもしれない。電動こけしという別名がつくだけのことはある。
「それは正しいかもしれないけど、夢がないなあ」
「どんな夢よ!」
 椎名と釘宮がかけあいをやっているところに、柿崎が言った。
「ねえ、ところでこれってどうする? 返品するの? いいんちょからはこの分のお金貰ってないんだけど」
 言われて、釘宮と椎名は顔を見合わせた。
「さすがに私は、それをお店に持っていって返品頼む勇気無いなあ」
「私も絶対嫌ね。ちょっとお金もったいないけど……それとも美砂が持っていってくれる?」
 柿崎は、奇妙な笑い方をした。普通、人間は笑顔になると目が細まるものだが、柿崎は大きく目を見開いている。
 椎名は何も感じていないようだが、釘宮は何かいいとも悪いとも言えない変な予感がした。
「あのさ、これ、試してみない?」
「た、試す!?」
「どうせ返品できないんだから、使わなくちゃもったいないじゃない」
「うんうん、たしかに」
 納得する椎名を押しのけるようにして、釘宮は言った。
「わ、私は絶対嫌だからね!」
 柿崎は再びニマリと笑った。
「あんたまだ経験無いからそんなこと言うんでしょ。大丈夫、これを使えばいいのよ」
 彼女は自分の前に置かれた箱を掴むと、釘宮に向かって放った。
 思わず受けとった釘宮が、その箱を見てみると、そこには「ペニスバンド」という文字が書かれていた。

 なんでこんなことになってるんだろ。
 裸になった後でも、釘宮はまだそんなことを思っていた。
 あれから椎名と柿崎の二人にステレオで説得され、言いくるめられ、あれよあれよといううちに服を脱ぎ、シャワーを浴び、三人とも準備万端である。
 なんでこんなことに。
 柿崎にペニスバンドを装着してもらっている最中にも、釘宮はまだそんなことを考えていた。
 経験の量も内容もクラストップの柿崎は、釘宮が戸惑っていたつけ方をいとも簡単に読み解き、易々と扱っている。
「ひょっとして使ったことあるの?」
「ないけど、そんなに難しいものじゃないよ」
 やはり経験の差か、と釘宮は思った。
 おそらく、このグロテスクな模型を見るだけで軽く心拍があがってしまう釘宮に対し、実物を見慣れている柿崎は冷静に理解することができる、といった理由なのだろう。
 別にロストバージンを競うわけではないが、やはり彼氏持ちに対してはなんとなく劣等感を感じてしまう釘宮だった。
 さて、ペニスバンドをつけ終え、一時的に両性具有になった釘宮は、ベッドに向かった。
 ベッドには、やはり全裸になった椎名が、期待に目をキラキラさせて釘宮のことを、正確には釘宮の股間を凝視している。
 真っ黒に塗装されたそれは、人工物特有の、理想的な形をしている。
 雄々しく反り返り、太さ、長さも申し分なく、静脈の一本一本まで精緻に造形がほどこされている。
 釘宮の女性的な、優美な腰のラインから、突然猛々しい真っ黒な男性が生えているという光景は、異様でありながら退廃的な美しさがあった。
 ベッド際に立った釘宮だったが、両手を前に組み、止まってしまう。
 椎名や柿崎とライトなレズプレイをしたことはないでもない釘宮だったが、ここまで本格的なものははじめてだ。
 いつの間にか後ろに忍び寄った柿崎が、釘宮の背中をそっと押した。
「ほら、なにしてるの、釘男クン!」
「わ、わかったからその釘男ってのやめてよ」
 釘宮は口をとがらせてそう言うと、ベッドにはい上がって、椎名のももの辺りを大きくまたいだ。
 この三人組、いずれも中学3年生としては理想的な、バランスの取れたプロポーションをしているが、自分で言うだけあって椎名はその中でも半歩抜け出している。
 仰向けでも胸があるのがわかるし、ウエストのくびれも理想的だ。
 特に腰のラインの素晴らしさは、上から見下ろしてみると一際際立つ。
 釘宮はわずかに嫉妬心を自覚しながら、椎名の頭の両脇に手をつき、四つん這いになった。
 顔と顔とが近づくと、椎名は顎をあげ、白い首筋を見せるように口を突き出す。。
 なんだか本当に、男として女の子とやってるみたいな気分だな、と思いながら、釘宮は顔を降ろし、椎名にキスした。
「ん〜」
 椎名は甘えた声を出しながら釘宮の背に手を回し、積極的に舌を絡めてきた。
 釘宮も自分の口の中で椎名の舌の相手をしつつ、彼女の柔らかい体を抱いた。立てていた膝を伸ばし、足同士も舌と同様絡み付かせる。
 こうして密着度の高い抱き合い方をしていると、それだけで興奮してくる。
 心臓が早鐘のように激しく脈打っているし、体の奥が熱い。間近に見る椎名の顔も紅潮していた。
 すべすべとした肌との心地よい接触。胸と胸とがぎゅうぎゅうと押し潰されている。敏感な乳首同士が触れ合い、こすり合い、椎名も釘宮も思わず声をあげた。
 激しいキスを続けながら、椎名は片手を前に持ってきて、釘宮の乳房に触れた。釘宮もそれに応え、椎名の胸を揉む。
 お互い自慰の経験が──椎名の場合は男性経験もあるが──豊富なだけあって、あくまで優しいタッチにも関わらず、的確に感じる場所を刺激し合う。
「んちゅっ、ちゅっ、ふうっ、あっ、ま、まどか〜」
「くちゅっ、んんんっ、ふうっ、あうっ」
 口の中で舌が唾液を混ぜる音と、熱く甘いあえぎ声を交互に響かせながら、椎名と釘宮は熱烈な愛撫をしあった。
「円、もう準備できたから……ね?」
 欲情した瞳と、発情した声で椎名がねだった。
「うん……」
 まだ多少のためらいを見せたものの、釘宮は微妙に腰の位置を調整し、自分の股間に生えた黒光りするものを割れ目に押し当てた。
 密着している下腹の感触から、すでに椎名が濡れていたことは分かっていたが、カリ首まで入れたのに、まるで痛がる様子がなかった。それどころか、ぐっと頭をそらして悶えている。
「んああああああっ、いい、いいよぉぉぉぉ。はやく、もっと奥までっ」
 甘えた声の椎名に従い、釘宮は更に腰をゆっくりと進める。焦らしているわけではなく、椎名の締めつけが思ったより強いのだ。
 一センチ、また一センチと深く貫いていく度に、椎名は顔を左右に振り、あられもなく声をあげ、紅潮した顔に時にとろけそうな、時に苦しそうな顔を次々と浮かべる。
 釘宮のペニスバンドは、つけている側には出っ張っていないので彼女本人は別に気持ちよくないのだが、椎名の顔を見ているだけで、ドクンと胸の奥が大きく踊ってしまう。
 これが女の子とエッチする時の男の気持ちかなあ、と釘宮が妙な感慨に浸っているうちに、ついに模造品は根元まで埋まった。
「うあ……はあっ、あ、はっ、うん……」
 椎名は内臓が圧迫されているせいか、それともあまりに強烈な快感に襲われているせいか、浅い呼吸を繰り返している。
 と、椎名は再び釘宮に強く抱き付き、熱烈なキスをした。付け根が痛くなるほどの激しい舌と舌との交合をひとしきり行うと、すっと椎名は口を離し、熱に浮かされたように言う。
「ねえ、動いて……」
 同性の釘宮ですらドキリとするほどの、色っぽい口調だった。どちらかというと、色気は柿崎が担当で、椎名は可愛い系のはずなのだ。抱かれている最中には、こうも女は変わるものかと、内心釘宮は驚いている。
 最初は加減がわからないので、小刻みに腰を動かしてみた。しかし椎名は物足りないらしく、すぐに自分から動き出す。
「はあっ、はあっ、あっ、ねえっ、ねえっ、円ももっと、んんんっ、動いて、もっと激しく動いてぇ〜〜」
 親友の意外な一面に冷や汗をかきながらも、釘宮は言われた通り、より大きく腰を動かしだした。
「あ、いいっ、そう、気持ちいいよ円〜」
 こんなことでも誉められれば嬉しいものだ。釘宮は、以前柿崎が猥談中話していたみたいに、前後方向だけでなく、上下左右回転を加えてみる。
「あーっ、す、すごいよ円〜」
 ぎゅうっと目をつむり口元から唾液をしたたらせながら、あえぎあえぎ言う椎名。可愛い声だな、と釘宮は思う。
 その姿、その声に愛しさを感じた釘宮は、さらに一層の快感をあおるために首筋にキスし、耳元を舐め、胸を揉んでやった。
「円っ、円っ、イク、イっちゃうよぅっ、円、円〜〜〜〜っ!」
 椎名は自分の上で動くルームメイトの名を大きな声で呼びながら、絶頂に達した。
 意外に強い力で釘宮の体を締め付ける椎名の両腕。その力がくたりと抜けた。
 脱力した椎名は、目を閉じて余韻にじっくりと浸っているようだった。
 釘宮は体をずらし、椎名の中からゆっくりと、代用品を引きぬく。くちゅりという水音がし、椎名は「ん」と声をあげた。
 見下ろしてみると、釘宮のももの中ほどまで、透明な液体がこぼれている。
 ふと思い付いてペニスバンドの裏側、自らの割れ目に指を這わせて見ると、あきらかに汗以外のものでぬめぬめしている。
 このペニスバンドは片側にしか張型が伸びていないものだが、釘宮は椎名と肌を重ね、その痴態を目の当たりにするだけでしっかり感じていたらしい。
 と、突然尻になにか濡れたものが当てられた。それはすぐさま、あろうことか菊の門に潜り込もうとしてくる。
「ひゃあっ」
 と手を後ろにやり、払いのけようとするが、その何かはすでに頭を穴の中に潜り込ませていた。釘宮の手は、かえって刺激を排泄口の内側へ伝えてしまう結果となる。
「ああっ、ちょっ、なんなの美砂!?」
 振り向くと、思った通り犯人は柿崎だ。
 目元を赤く染め、明らかに発情している。手にしているのは、釘宮の角度からはよく見えないが、おそらくあの三つの性具のうちの最後の一つだろう。
 美砂は長い髪をかきあげながら、熱っぽい口調で言った。
「なにって……円と桜子がしてるの見てたら興奮してきちゃって……それに円もイってないでしょ?」
「だからって、っていうか私のお尻になにしてるの!?」
「ただのアナルディルドーよ。大丈夫。付属のローションたっぷり塗ったし、直径も細いから入るって」
「何が大丈夫よっ。いやだってやーめーて」
「後ろの処女くらいよこしなさいよ親友でしょ? 別にいいじゃん」
「よくなーい!」
 釘宮はなんとか逃げようとするのだが、すでにレスリングで言うバックを制された状態なのではじめから不利である。
 加えて、釘宮の下には椎名が大の字になって寝ているため、彼女を気遣ってうまく動けない。
 なんとかそれ以上の挿入はさせまいと釘宮は奮闘するのだが、一瞬の隙をついて柿崎は手に力を入れる。
「えいっ」
 という掛け声と共に、10センチほどあったアナルデイルドーは一気に根元まで入ってしまった。
「ぐっ……あ…………」
 直腸に加わった衝撃で、釘宮の目が大きく見開かれ、動きが止まった。内臓に直接突きを食らったかのような一撃が、釘宮の頭を真っ白にする。
 相手が硬直したのを見て、柿崎はその体に抱き付いた。
「ほら、桜子はちょっとどいててよ」
「え〜」
 だるそうにのろのろと体を動かす椎名を蹴落とすようにして、柿崎はベッドの上を占領した。
「み、美砂〜っ」
 ふと抱いている釘宮の方を見ると、涙目でこっちを睨んでいる。柿崎はすばやく奥まで刺さったままのアナルディルドーのグリップを掴むと、何度か小刻みに前後させた。
「ひあああああっ」
 釘宮の体が、大きくのけぞった。少々乱暴な方法だが、実のところ柿崎もだいぶ切羽詰っているのだ。椎名と釘宮の熱烈なレズプレイを目の前で見せられ、毛の生え揃った股間は大量の愛液でベトベトになっている。
「はぐっ、あっ、やめ、やめてよっ」
 釘宮が暴れようとする度に、アナルディルドーを操ってその動きを止める柿崎。彼女は釘宮と向かい合い、側位の形にもってくる。
 未だ椎名の愛液が乾かない釘宮の人工男性器を、何分も前から準備ができている自分の股間にあてがい、一気に貫いた。
「ん……っ」
 待ち望んだ感覚が腰に走り、柿崎は満足そうにあえいだ。
 ふと目の前を見ると、釘宮が目をうるませながら柿崎をにらみ付けている。
「ふくれっつらしないでよ。それに意外と気持ちイイでしょ?」
 しかし釘宮は、無言で険悪な視線を向けつづけている。
 もっとも、その頬が赤らんでいることは、隠しようがない。
 柿崎はグリップを保持しつつも、もう片方の手で釘宮の体を抱き寄せ、キスした。
 舌を入れると、意外にも釘宮はすぐ応えてきた。が、抵抗の意思を示したいのか痛くない程度に、柿崎の舌を歯で噛んでくる。
 柿崎はそんな釘宮の仕草に微笑みを浮かべつつも、本格的に手と腰を動かし出した。
「うああああっ、やめ、やっぱりやめ、ああああっ」
 キスを振りほどいて釘宮が大きくよがる。
 柿崎が腰を前に進めると、それに押されてアナルディルドーが深く突き刺さってしまう。
 逆に、アナルディルドーを突き入れれば、逃れようとする釘宮の腰の動きが、柿崎の膣を刺激する。
 柿崎は手と腰を自在に動かすことにより、釘宮との同性同士のまぐわいを楽しんだ。
「やあん、ああっ、だめ、だめったら美砂、ん、あ、あっ、あああっ」
「んふ、円の声、カワイイ」
 柿崎はささやくように言うと、あえぐ釘宮の唇に軽くキスした。すでに白い素肌を赤く染めていた釘宮だが、いっそう顔を赤くする。声について言われるのは嫌なはずだったが、嫌悪感はなかった。その代わりに、猛烈なわけのわからない恥ずかしさがこみあげてくる。
「はぁっ、あっ、んんんんん───っ!」
 無意識に、声をこらえてしまう釘宮。その我慢と羞恥心が呼び水となり、彼女は後ろとキスだけで達してしまった。
 それを見た柿崎も、急速に高まっていく。一層激しく腰を振りたて、しがみつきながら叫ぶ。
「あっ、あっ、円ぁ、私も、私も──────っ」
 連続して絶頂を迎えた二人は、本物の恋人同士のようにひしと抱き合いながら、至福の忘我を味わった。
 とそこに、飛び込んできたのが椎名である。文字通り、プロレス技のように上から降ってくる。
「あたっ」
「な、何?」
 顔をしかめる釘宮と柿崎に、椎名は頬の緩んだ顔で、明るく言った。
「交代交代! 今度は私の番!」
 と言って、未だ釘宮の肛門にささったままのアナルディルドーのグリップに手を伸ばした。
「ひぃっ。ちょ、いいって桜子、もう充分だからっ!」
「えー、私は充分じゃないよ」
「仕方ない、じゃあ私が円の両手を押さえるから、ちゃっちゃとやっちゃいなさい」
「美砂!? 離せ、はーなーせー!」

 それから、愛液と汗と唾液まみれになるまで三人は何度も睦みあった。
 夜がすっかりふけてから、疲れ果てた彼女らは、ようやく後片付けをはじめる。
「うわー、もうこんな時間。明日起きられるかなー」
 シーツを丸めながら、時計を見て釘宮がつぶやいた。
「まさかあんなにハマるとはねー。円も最後の方はかなり積極的だったし」
 ベッドメイクを手伝う椎名の言葉に、円は顔を赤くする。
「円は気に入ってたみたいだけど、私は一歩足りなかったかな。やっぱり生の方が……」
 三つの器具を洗っている柿崎がそう言うと、椎名はうんうんとうなずいた。
「まあこっちはこっちで独特の気持ちよさがあるから簡単には比べられないけどね」
「ふーん」
 生返事をしながらシーツを洗濯機に放りこんだ釘宮は、ふと、二人のルームメイトが自分を見つめていることに気がついた。
「な、何よ」
 彼女らの視線にはどこか哀れみが含まれているように感じる。
 柿崎が、ぐっと拳を握り、はげますように言った。
「大丈夫よ円! 男より道具の方が好きだからって気に病むことないって!!」
「なんの話よっ」
「その通りっ。幸いここは女子校、きっと相手はみつかるって釘男君!」
「釘男って言うなーっ!」


   第二十七話 終わり


次回予告!
 いよいよはじまった修学旅行。新幹線に乗ったネギたち引率の教師と3−A一行の旅は、順調かに思えた。しかし、突如、あらゆる場所からカエルが飛び出してくるという謎の事件が。ネギは生徒の一人である刹那を疑うが、確証はもてなかった。もし、その後ネギがカエル騒動で気絶したしずな先生を介抱することになったら……? 乞うご期待!

 

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